- 2017/09/04
- 【コラム】内定辞退を食い止める~心理学を活用したアプローチ①~
9月に入り、内定式準備に追われている採用担当者さまも多いのではないかと思います。
リクナビを運営する(株)リクルートキャリアからは
8月1日時点での就職志望者のうち、就職内定率は84.2%、前年同月の79.3%と比べなんと4.9ポイント増という報告もあり、
今年も人手不足を背景とした学生有利の“売り手市場”を実感します。
また、学生にとっては『運命の一社』を選択する時期ですが、企業側も内定辞退は何としてでも食い止めたいところ。
教育研修会社という立場からよくアドバイスをさせていただくのは、
「学生個々の不安の段階を理解し、一つひとつ解消していくこと」です。
マズローの欲求5段階説
皆さまは『マズローの欲求5段階説』という言葉をご存知でしょうか。
アメリカの心理学者アブラハム・マズローは、
「人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されており、低階層の欲求が満たされて初めてより高次の階層の欲求を欲する」と提唱しています。
それぞれの階層について、簡単にご紹介します。
第一階層:生理的欲求
生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、飲みたい、寝たいなど)を指します。
第二階層:安全欲求
生理的欲求がある程度満たされると、「安全欲求」を求めるようになります。
これは危機を回避したい、安全・暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康など)という欲求が含まれます。
第三階層:社会的欲求(帰属欲求)
次の階層では社会的欲求(帰属欲求)、すなわち集団(群れ)に属したり、仲間と呼べるような存在を求めるようになります。
※ここまでの欲求は、外的に満たされたいという思いから出てくる欲求(低次の欲求)で、
これ以降は内的な心を満たしたいという欲求(高次の欲求)に変わります。
第四階層:尊厳欲求(承認欲求)
社会的な欲求が満たされた後は、他社から認められたい、尊敬されたいといった尊厳欲求(承認欲求)が芽生えます。
第五階層:自己実現欲求
自分の能力を引き出し、創造的な活動がしたいなどの欲求を指す「自己実現欲求」は、最も高次な欲求とされます。
内定辞退防止には “ 手順 ” が重要
このように、人は欠乏に対する欲求を満たすことを望み、それが満たされて初めて次層の欲求や成長を求めていくことがわかります。
内定者が一体どの階層に不安を抱えているかを把握し、その状況に応じた的確な内定フォローのアプローチを踏むことが
『納得感のある内定承諾』に一歩近づくヒントではないでしょうか。
次回のコラムでは、時期に合わせた具体的な施策に触れていきたいと思います。
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